英語をマスターするにはどのくらいの時間学習が必要なのか?
皆さんは英語をマスターするためにはどのぐらいの時間の学習が必要か考えたことはありますか?
下の表はある有名英会話スクールがインターネット上で公開しているもので、CEFRの英語レベルを1つアップするのに必要な学習時間の目安です。
色々な指標があるのであくまでも一つの目安として見て下さい。
この表によると、現在A2レベルの生徒がB2レベルに達するためには500時間の学習が必要で、英会話スクールで1時間のレッスンを週2回受けた場合でも約4.8年かかるという計算になります。
英語をマスターするには長い期間学習を継続することが必要ということご理解頂けましたか?
英語マスターのポイントは「学習の習慣化」を身につけること!
自分自身の目標を決めて高いモチベーションを維持しながら英語の学習を継続することは容易な事ではありません。モチベーションだけに頼っていると挫折することが多々あります。皆さんも心当たりありませんか?
高いモチベーションだけに頼よらず英語をマスターする秘訣は、「学習の習慣化」にあると考えています。
習慣とは「無意識に継続する状態に導くこと」で、最小限のモチベーションがあれば問題ありません。
上の表を見ても分かるように、英語をマスターするには英会話スクールでレッスンを受けるだけではまったく時間的には不十分で、それ以外にコツコツと学習を積み上げていく必要があります。
忙しい皆さんは平日にまとまった学習時間を設けることは難しいと思いますが、大切なことは毎日短い時間でも英語に触れ続け、英語脳を刺激し続けることです。
「学習の習慣化」を身につける方法
それでは実際に「学習の習慣化」を身に付けるにはどうしたらよいでしょうか?
習慣を定着させるためには「ほんの数分でも毎日英語学習を続ける」というルールをまず設けることです。
しかしこのようなルールを決めても、忙しさや疲れから今日は勉強できなくても仕方ないと思ってしまう日もあります。しかしそのような時でも1分でもよいので必ず学習することが重要です。
そして、まず3日、1週間、10日、2週間と継続日数を少しずつ伸ばしていき、習慣を徐々に身に付けて行きます。この時、習慣付けをサポートしてくれるたいへん有効な方法があります。
それは 「学習の見える化」をすることで、毎日の学習記録をつけることです。そしてその記録を機会あるごとに見返すことです。
まだスマホがまだない時代、私は普段使っているスケジュール帳に目標を明記して毎月のカレンダーに目立つように赤色で◎印を付け、学習時間や内容をメモして「学習の見える化」をしていました。
1週間でも継続が見える化された結果を見ると、私たちの脳はその小さな達成感でもたいへん幸せな状態となり、さらに頑張って継続しようというポジティブな気持ちが湧いてきます。
さらに学習を継続して見える化していくと、「積み上げてきたものが途切れてしまうことに抵抗を感じる人間の習性」が習慣化をさらに促進します。
最終的に習慣が定着してくると、学習しないと気持ち悪くて寝られない状態になります。
ところで最近はたいへん便利な時代で、脱・三日坊主のための無料アプリがいくつもあり私達の心強い味方となってくれます。
例えば、「目標継続カレンダー」、「継続する技術」などはいろいろな機能がありたいへん便利なアプリです。
下の図は、「目標継続カレンダー」アプリのサンプル画面です。
三日坊主の方には、「学習の見える化」はお勧めメソッドですので、自分に合ったアプリを最大限に活用して「学習の習慣化」を身につけて下さい。
習慣化するための学習方法
私が普段実践している習慣化のための具体的な英語学習法を紹介します。
【学習時間の例】 朝の準備時間、通勤時間、昼休み、入浴中、就寝前など
【学習支援コンテンツの例】 本、電子書籍、アプリ、ポッドキャスト、YouTube、DVD(BD)など
1⃣ 学習のルーチン作り
まず自分の生活パターンに合った学習ルーチンを決めることです。
短い時間で構わないので英語を学習する時間を毎日作りましょう。例えば夕食後や就寝前の時間を上手く活用します。
平日はどうしてもまとまった時間がとれない場合、ぶつ切れの僅かな時間を活用する「隙間時間学習」を取り入れます。
通勤や移動の時間は英語学習の習慣作りに最適な隙間時間です。駅までの移動時間にポッドキャストを聞いたり、電車に乗っている時は英語の本やニュースを読むことで、週末以外は毎日まとまった時間を学習に費やすことができます。
TOEICの点数を上げたい人はTOEIC対策アプリをスマホにダウンロードして通勤時間に問題を解いたり、TOEIC頻出単語の学習もできます。
皆さんの日々の生活パターンから英語学習に使えそうな隙間時間を探し出してください。
さらに「ナガラ学習」も英語学習の習慣作りにたいへん効果的です。別のことをしている時に英語学習を組み込みます。
例えば、朝のストレッチや筋トレをしながらBBCのコンテンツを聞いたり、入浴中にポッドキャストで英語関連のプログラムを聞いたりします。
毎朝駅に向かって歩いている時や週末のウォーキング時にダウンロードした音声データでシャドーウィングの練習などをします。(くれぐれも安全には注意して下さい!)
因みに、体を動かしながらの学習は記憶効果を高め、さらに「歩きながらの音読」はより記憶を定着させるという研究結果を京都大学 森谷名誉教授が発表しています。
脳と筋肉は深く関係していて、筋肉を動かすと脳の神経細胞を増やしたり記憶力や学習能力を向上させるBDNFという血中タンパク質が増える効果ということです。
効果があると言われるものは何でも取り入れてみましょう!
またインターネットは英語学習の無料コンテンツの宝庫なので、自分の気に入ったアプリやポッドキャストをスマホにダウンロードしましょう。
スマホはいつでもどこでも学習ができるたいへん便利なデバイスなので「隙間時間学習」、「ナガラ学習」に最適なので最大限活用しましょう。
2⃣ 自分が興味や興味のある事のコンテンツを使う
英語の学習はしたいけどTOEICや文法などのコンテンツなどは敷居が高いし、長続きしないという人も多いと思います。
そんな方にお勧めなのが、自分の趣味や興味のあることの英語コンテンツを活用することです。
私はフットボールが大好きなのでイギリス人がアップしているYouTube動画を週末によく見ます。彼らの英語はブリティッシュ訛りが強く聞き取りにくいのですが、フットボールに関しての話なので内容は想像できますし、生のイギリス英語に耳を慣らすのには最高のコンテンツです。
洋楽の好きな人はSpotifyでお気に入りの歌手の曲を歌詞を表示させながら聞いたり歌ったり、映画好きな人はDVDでお気に入りの映画の俳優や女優のセリフを聞き取れるまで何度も聞き、スクリプトを見ながらその主人公のセリフを声に出して真似してみることでリスニングとスピーキングの練習になります。
因みにほとんどの映画スクリプトはインターネットから無料でダウンロードが出来ます。
自分が興味のあることのコンテンツを使うことで、学習という意識なしに続けられるので習慣作りに大いに役立ちます。
3⃣ 音読を取り入れよう!
家での学習には音読練習を積極的に取り入れましょう。
音読は英語の3スキル(リーディング、スピーキング、リスニング)強化にたいへん効果があると言われています。あまり知られていませんが英語学習の最強法なのです。
音読は英語を日本語に変換することなく英語の語順のまま理解する思考回路を効果的につくるということです。
音読コンテンツとしてお薦めはオンラインニュースの無料動画です。特にCNNとBBCの動画ニュースが学習には最適です。
CNNとBBCは英語と日本語の2つのサイトがあり、同じニュースの英語スクリプトと日本語翻訳記事が掲載されていています。スクリプトを見ながら何度も音読した後に動画で発音やアクセントなどを確認し、ネイティブのようにすらすら発音できるまで音読練習をします。
この方法の良いところはアメリカ英語とイギリス英語の発音の違いが理解でき、さらに英語スクリプトで分からなかった表現を日本語の翻訳記事でチェックすることもできます。
また好きな作家の本を読むのもお薦めです。例えば、村上春樹の本は殆ど英語翻訳されていて日本語のストーリーを知っていると英語でも読みやすくなります。
私のお勧めの本はペーパーバックで、小さくて軽いので通勤バックに入れて持ち運びやすく隙間時間に読むのに便利です。
音読するときの秘訣は、ある程度まとまった量の文章ごとに音読することです。意味の分からない単語や文章があっても想像しながら通して音読することです。
発音とイントネーションも意識しながら大きな声で音読しましょう。
4⃣⃣ 英語を話す環境に身を置く
スピーキング力を鍛える唯一の方法は、日頃インプットした情報を使いアウトプット作業を行うことです。英語での会話を通して英語脳の瞬発力を鍛える必要があります。
日本にいると英語を話す環境に身を置くのは難しいのですが、英会話スクールに通ったり、オンライン英会話でネイティブと話すなどの機会を積極的に作りましょう。最近のオンライン英会話では事前予約なしでやりたい時に20分程度のレッスンが格安で出来るサービスもあります。
最近ポピュラーになってきた英会話カフェでは格安で外国人と英語を話すことができます。英会話カフェは名のごとく、カフェのように飲み物を飲みながらネイティブと英語を話すことがきるものです。色々なタイプの英会話カフェがあるので興味のある人は調べて見て下さい、
また、ラゲージイクスチェンジという活動があり、これも外国人と英語を話すよい機会となります。この活動はバーなどで英語を学びたい日本人と日本語を学びたい外国人がひとつのテーブルを囲み、時間を決めて日本語・英語を交互に話すイベントです。
オーガナイザーが仕切ってくれるので、均等に両言語を話せるようになっていて英会話初心者でも安心して参加できます。参加費は飲み物代の500円程度と安いので、Meetupというサイトで近所で開催されるイベントを探して見て下さい。
英語学習を習慣化することは英語マスターへの王道です。大切なことはモチベーションだけに頼らず、日々の生活ルーチンに英語学習を取り入れてしまうことです。
日本にいながら英語環境を作り出し、コツコツと頭の中を英語漬けにして楽しみながら英語を学び続けましょう!
<今日のビジネスで使えることわざ>
“継続は力なり”
英語でも色々な表現があるこのことわざです。英語表現を6つ紹介します。
Practice makes perfect.
Roma was not built in a day.
Continuity is the father of success.
Persistence pays off.
Little and often fills the purse.
Constant dropping wears away the stone.
JT