今回のEpisodeではポリティカル・コレクトネス(Political Correctness: PC)について紹介します。
ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness: PC)とは?
日本ではポリコレやPCと訳されますが、皆さん耳にしたことありますか?
Cambridge辞書によるとPCは次のような表記になっています。
“The act of avoiding language and actions that could be offensive to others, especially those relating to sex and race”
日本語でもう少し詳しく説明すると、「政治的に正しい言葉使い」とも呼ばれ、「政治的、社会的に公平・公正・中立的で差別・偏見が含まれない言葉や用語」のことで、職業・性別・文化・人種・民族・障害者・年齢・婚姻状況などに基づく差別・偏見を防ぐ表現ということです。
この動きは1980年代アメリカで始まり、現在ではグローバルで非常にセンシティブな話題となりました。
そのアメリカではトランプ元大統領が2018年8月に開催された第1回共和党大統領討論会で次の様な発言をしました。
”I think the biggest problem this country has is being politically correct.”
”この国が抱える大きな問題は、ポリコレだと思う。”
この発言が、ポリコレによりちょっと過激なことを言いたくても言えずにいた層にヒット、トランプさんは多くの支持を集めることになりました。
またこれがトリガーとになりポリコレに対する議論がさらに高まり、アメリカでのポリコレ認知度をさらに上げて行くことになりました。
トランプさんは例外として、世界中では、特に欧米ではポリコレは非常にセンシティブな話題ですので、欧米系企業の方とコミュニケーションする機会のある方は十分に理解を深めてください。
ポリコレを正しく理解をしていないと、思わぬ誤解を受けることもあるので注意をしてください。
代表的なポリコレの表現について
既にポピュラーになったものもありますが、その代表的な例を確認してみましょう。
【職業にまつわる表現の例】
businessman/businesswoman → business person
chairman/chairwoman → chairperson
stewardess → flight attendant
waiter/waitress → server, waiting staff
actress → actor
housewife → homemaker
【身体や民族にまつわる表現の例】
deaf(聴覚障害者) → hearing impaired
blind(視覚障害者) → visually impaired、visually-challenged
bald(頭の禿げた) → hair disadvantaged
fat(太った) → differently sized
Black → African American
Indian → Native American, (カナダでは) First Nations
最近では、クリスマスの挨拶である「Merry Christmas!」もポリコレの影響もあり「Happy Holidays!」に変わってきています。
また、African Americanも「アフリカ系」と区別すること自体が差別ではないかという見方も出てきています。
ポリコレに対する感度に関しては、国や地域の差が非常にあり、特に日本での理解度は低いのが現状です。
今回紹介した以外にもポリコレの表現はいろいろありますし、言葉は生き物で日々変化しています。
興味のある方はインターネットで最新情報を調べてみてください。
<今日のビジネスで使えることわざ>
“百聞は一見に如かず”
「A picture is worth a thousand words.」
JT