今回のEpisodeではビジネスシシーンで良く使われるイディオムについてご紹介します。
イディオムとは、2つ以上の単語が結びつき、元の単語の意味とは異なる特殊な意味を表す言い回しのことを言います。日本語では「慣用句」や「成句」とも言われます。
イディオムの意味は元の単語単体の意味からは想像できないものが多く、英文法や単語の意味を知っていても正しく会話の内容を理解できないことがあります。
特にネイティブの日常会話ではイディオムが頻出しますので主なイディオムの意味を理解しておくことが必須となります。
今回はビジネスシーンで使われることが多い厳選イディオム15個をご紹介します。
ビジネスで頻繁に使われるイディオム 15選
1⃣ By the book
「規則に従って」「型通りに」という意味です。法律順守の意味や企業ポリシーや習慣を示す場合もあります。
ここで使われている「book」はマニュアル、規則本などを意味しています。
My manager insists on doing everything by the book.
私の上司は全ての事をルール通りに行うように強く主張します。
2⃣ On the same page
ビジネスシーンで使われる場合、そこに携わる人たちが「共通の理解を持っている」「理解が一致している」という意味です。
複数の人達が本のおなじページを開きながら何かに取り組んでいるシーンを思い浮かべるとこのイディオムの意味が理解できます。
Before we move on, let’s make sure we are all on the same page.
次に進む前に、皆の意見が一致しているか確認しよう。
3⃣ Get down to the business
日本語で「本題に入りましょう」の意味で、会議などで冒頭のスモールトークの後や、会議中に議題が脱線した時に本題に戻す際に使うイディオムです。
それ以外にも「何かを始める」「真剣に取り組む」という意味もあります。
We have only one hour today, so let’s get down to the business.
本日は1時間しか時間がないので、さっそく本題に入りましょう。
4⃣ Get the ball rolling
仕事や会議などを「始める」や「口火を切る」や「軌道に乗せる」といった意味です。
フットボールなどの球技で試合を始めるときにまずボールを転がすことからこのイディオムの語源となっています。
I think we should get the ball rolling as soon as possible.
一刻も早く会議を始めるべきと思います。
5⃣ Bring to the table
「テーブルの上に持ち込む」という直訳から、会議などでアイデアを「出す、提示する」や有益なものを「提供する」という意味です。
Having a meeting is no point if you haven’t got anything new to bring to the table.
あなた方が何か新しい提案を提示しないのなら、もう会議をする意味はない。
6⃣ Touch base
ビジネスシーンで使われるときは「連絡を取る」を意味していて、電話やe-mailで頻繁に使われます。
「contact」のカジュアルバージョンで、改まったメールを送るのではなくLineなどで「軽く連絡する」というイメージです。
I’m just touching base with you to see if everything is OK.
様子を伺うために連絡をさせて頂きました。
7⃣⃣ Ballpark figure
「ballpark」とは野球場のことで、野球の試合で発表される来場者数がおおまかな数字が発表されることを語源するイディオムで、「概算」「おおよその数字」の意味で使われます。
野球はアメリカを中心に人気があるスポーツなので北米を中心に使われていたイディオムでしたが、現在は世界中で使われるイディオムです。
We need a rough idea of how much this will cost, even if it’s only a ballpark figure.
喩え概算でも良いので、どのくらいコストが掛かるか知りたい。
8⃣ Up in the air
直訳すると「空中に浮いている」という意味から、「まだ決まっていない」「未解決」という意味のイディオムです。
My plans for next year are up in the air.
来年の計画は未定だ。
9⃣⃣ Back to square one
直訳すると「四角いところに戻る」という意味ですが、四角いところとはボードゲームの出発点である四角いマスを意味しています。
そのため「振り出しに戻る」の意味でビジネス英話ではよく使われるイディオムです。
Our plans were back to square one.
我々の計画は振り出しに戻った。
1⃣0⃣ Once in a blue moon
通常の満月はだいたい1ヶ月に1度見ることができますが、1ヶ月に2回現れる満月のことをブルームーンと呼び、2年半に一度しか見れない大変珍しいものです。
「ブルームーンぐらい珍しい」という意味で、このイディオムは頻度を表す表現として、「めったにない」「ごくまれにしかない」という否定的な意味で使われます。
He drinks once in a blue moon.
彼はめったにお酒を飲まない。
1⃣1⃣ No strings attached
「無条件で」「なんの見返りもなく」という意味で、相手との間に特別な条件や責任が発生しない、見返りを求めない行動に対して使える表現です。
「string」は糸のことで、ここでの糸は自分と何かに繋がっているもののことで、それらは対人関係、社会のルール、一般常識などです。
その糸が何にもくっついていない状態を表しています。
He agreed to lend 5000 dollars with no strings attached.
彼は無条件で5000ドルを私に貸してくれた。
1⃣2⃣ A piece of cake
「簡単な事」「朝飯前」「楽勝」という意味で使われます。
「一切れのケーキを食べるように簡単な事」というのが語源です。同じような意味を持つイディオムに、as easy as pie, walk in the park, no sweat などがあります。
It’s a piece of cake.
それくらい朝飯前です。
1⃣3⃣ Call it a day
仕事や課題に取り組んでいる最中に「仕事を仕切る」という意味で使われます。
例えば、遅くなってきたので一緒に働いている人に「今日はここまでにしよう」という提案をするような時に使われます。
I think we’ve done enough today, let’s call it a day.
今日の仕事は十分やったと思うので、今日はここまでにしよう。
1⃣4⃣ Diamond in the rough
「in the rough」は「未加工の」「未完成の」という意味で、直訳すると「ダイヤモンドの原石」という意味です。
ビジネス英語で使われる比喩表現として「(ダイヤの原石のように)磨けば光る人」という意味です。
He looks a little scruffy, but he’s a diamond in the rough.
彼は少しあか抜けないように見えるが、ダイヤの原石です。
1⃣5⃣ long shot
「実現性が低い試み」や「可能性はゼロではないがあまり期待できないこと」を意味しています。
遠くにあるターゲットを銃や弓矢で当てるのは難しいというところからの表現です。
It’s a long shot but I will try.
望みは薄いですがやってみます。
<今日のビジネスで使えることわざ>
“蓼食う虫も好きずき”
「There is no accounting for tastes.」
JT