オノマトペという言葉をご存じでしょうか?
オノマトペとは、音や声、動作などを音声化して表した言葉のことで、大きく分けると、擬音語、擬声語、擬態語の3種類があります。
ガチャン、ゴロゴロなどの物の音を言葉で表したのが擬音語、ワンワン、ブーブーなど人や動物の声をまねたのが擬声語、キラキラ、テキパキなど状態を表すものが擬態語です。日本語では日常生活のあらゆるシーンでオノマトペは浸透しています。
オノマトペの語源
オノマトペの語源は、古代ギリシャ語の「onoma(名前)」と「poiein(作る)」を組み合わせた「onomatopoiia(オノマトペイーア)」に由来するとされています。
ちなみに、英語では「onomatopoeia(オノマトペア)」と呼ばれています。日本ではオノマトペと呼ばれるのが一般的です。
日本語は特にオノマトペが多い言語と言われています。諸説ありますが、動詞の種類が少ないことが主な理由のようです。
例えば、「〜を見る」という場合、英語には「see」、「look」、「watch」など、状況に応じた数種類の動詞がありますが、日本語には基本的に「見る」という動詞しかありません。
そのため日本語では状況により合った表現にするために、「ジロジロ見る」「キョロキョロ見る」というようにオノマトペを使っています。
英語でオノマトペ
それでは実際に良く使われるオノマトペの代表的な英語表現をご紹介します。
動物や虫の擬音語
1⃣ 「犬の鳴き声」
ワンワン → bowwow (バウワゥ)
2⃣ 「猫の鳴き声」
ニャー → meow(ミアゥ)/ mew(ミュー)
3⃣ 「牛の鳴き声」
モー → moo(ムー)
4⃣ 「鶏の鳴き声」
コケコッコー → cock-a-doodle-doo(カカドゥドゥルドゥ)
5⃣ 「ハトの鳴き声」
ポッポ → coo(クー)
セミなどの虫のさまざまな鳴き声を日本では「音色」と捉えますが、海外では虫の鳴き声は「雑音」として捉えられることが多いようです。
そのため、日本では夏の風物詩である「ミンミン」といったセミの鳴き声を表す擬声語は英語にはなく、“cicada noise”(セミの音)や“buzz of a cicada”(セミの鳴き声)と言い、“noise”(雑音)や“buzz”(羽音)で表現されます。
乗り物の音の擬音語
1⃣ 「エンジンの音」
ブルルル → vroom(ヴルーム)
2⃣ 「スピードを出して走る音」
ビューン → zip(ズィップ)
3⃣ 「電車が走る音」
ガタン ゴトン → clickety-clack(クリッケティクラック)
4⃣ 「汽車が走る音」
シュッポシュッポ → choo-choo(チューチュー)
自然の音の擬音語
1⃣ 「風の音」
ヒュッ → swish(スウィシュ)
ザワザワ → rustle(ラスル)
サラサラ → murmur(マーマァ)
2⃣ 「水の音」
ポタポタ → drip(ドリプ)
ザブザブ → swash(スワシュ)
パチャパチャ → splash(スプラシュ)
3⃣ 「雨の音」
パラパラ → pitter-patter(ピターパター)
日本語では擬音語を会話の中で取り入れるとき「ポタポタと落ちる」のようにポタポタという擬音語が副詞として使われ、「落ちる」という動詞と合わせて表現されることが多いです。
一方で英語の場合は、“drip”の一語で「ポタポタと落ちる」という意味にもなります。
チョロチョロという音の“trickle”や、ザブザブという音の“swash”、ヒュッという音の“swish”も「音」単体の意味だけでなく、“trickle”(チョロチョロと流れる)、“swash”(ザブザブ音をたてて動く)、“swish”(ヒュッと動く)のように1語で副詞と動詞の意味を含んだ語になります。
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一冊まるごと英語のオノマトペの本ですので、オノマトペに興味のある方は是非読んで見て下さい。
<今日のビジネスで使えることわざ>
“血は水よりも濃い”
「Blood is thicker than water.」
JT