今回と次回のEpisodeでは、ビジネスコミュニケーションでよく使われる略語について、2回に分けて説明したいと思います。
題して、「Abbreviation vs Acronym vs Initialism」その違いは?(1)です。
「Abbreviation」、「Acronym」、「 Initialism」その違いは何なのか?
この上の3つの言葉の違いを明確に説明できる方はかなりの英語の達人です。
日本語ではそれぞれ「略語」、「頭字語」、「頭文字略語」と呼ばれています。
特に「Abbreviation」と「Acronym」の理解がごっちゃになっている方が多いのではないかと思います。
まず英語を省略するやり方には2つの方法があります。
1⃣ 単語の頭文字をピックアップして省略する方法
PC = Personal Computer
NASA = National Aeronautics and Space Administration
2⃣ 単語内の一部のアルファベットだけを表記する方法
Dr. = doctor
Dec. = December
「Abbreviation」は単なる「略語」という意味なので、一般的には長い言葉や単語を短くした1⃣、2⃣の両方を含んだ総称として使われる場合が多くなります。
1⃣の省略方法をさらに細かく分類したのが、「Acronym」と「Initialism」です。
「Acronym」と「Initialism」の違いは何か?
「Acronym」は言葉やフレーズの単語の頭文字を取って表記し、それをそのままアルファベット読みをしないで、新しい単語として発音をするものを言います。
ASAP(アサップ)= as soon as possible
APEC(エイペック)= Asia-Pacific Economic Cooperation
Scuba (スキューバ) = Self-Contained Under-water Breathing Apparatus
スキューバがそもそも略語であることを知っている日本人は少ないですね。
NATO(ネイトー) = North Atlantic Treaty Organization
ロシアとウクライナの戦争により一躍脚光を浴びたNATO(北大西洋条約機構)ですが、日本語ではナトーと発音しますが、海外ではネイトーと発音します。
一方、「Initialism」は言葉の頭文字を取ってそのままローマ字読みをするものとなります。
ATM (エイ ティー エム) = automatic teller machine
WHO(ダブル エイチ オー)= World Health Organization
因みに、日本では下記の略語は次のように呼びます。
VIP(very important person)= ビップ
UFO(unidentified flying object)= ユーフォー
しかし、英語ではVIP(ブイ アイ ピー)、UFO(ユー エフ オー)と呼ぶので、これらは「Acronym」ではなく、「Initialism」となります。まさに「和製Acronym」です。
まとめますと、「Acronym」と「Initialism」は「Abbreviation」の一部ということです。
また略語の読み方をそのままローマ字読みするか、新たな呼び名を付けるかにより、「Initialism」と「Acronym」に区分されるということです。
3つの言葉の意味を正しく理解いただけましたでしょうか?
次回のEpisodeでは、ビジネスパーソンがText Messageやe-mailなど仕事で頻繁に使う略語について説明します。
<今日のビジネスで使えることわざ>
“必要は成功の母”
「Necessity is the mother of invention.」
JT