同じ英語であるにも関わらずアメリカ英語とイギリス英語でスペルや使う単語が異なるのは、英語の難しさであり、面白さでもあります。
その違いを学び、アメリカ人・イギリス人とコミュニケーションを取る際、相手に合わせて単語のスペルを変えてみるのも、文化への理解を示すひとつの方法ではないでしょうか?
前回のEpisodeではアメリカ英語とイギリス英語の本質的な違いはなぜ生まれたのかについて説明しました。
今回は実際に2つの英語にどのような違いがあるか、スペルの違い、使う単語の違いについて代表例を挙げてみたいと思います。
アメリカ英語とイギリス英語の単語スペル、使う単語の違い
まず、アメリカ英語とイギリス英語で単語のスペルの違いを見てみましょう。
アメリカ英語とイギリス英語でのスペルの違いの代表的な3つのパターンに分けられます。
1)語尾の〔アメリカ英語:er〕と〔イギリス英語:re〕
長さの基準である「メートル」ではアメリカ英語では「meter」となりますが、
イギリス英語では「metre」となります。
下の表の「センター」、「映画館・劇場」、「リットル」も同じように異なります。
日本人の多くはアメリカ英語を学んでいますので、イギリス英語の「re」には違和感を
感じるかもしれませんね。
因みに、TBECはMick校長先生がイギリス人なのでイギリス英語方式の〔英:re〕をつかった
TOMO~Ni Business English Centre の表記にしています。
2)語尾の〔アメリカ英語:ze〕と〔イギリス英語:se〕
「気が付く」は、アメリカ英語では「realize」、イギリス英語では「realise」となります。
下の表の「準備する」、「記憶する」、「分析する」も同じように異なります。
日本人の多くの方は「ze」に慣れていると思いますが、イギリスでは「se」の語尾となります。
3)単語中の〔アメリカ英語:or〕と〔イギリス英語:our〕
「光栄・名誉」はアメリカ英語では「honor」、イギリス英語では「honour」となります。
下の表の「お気に入りの」、「近所」、「色」も同じように異なります。
アメリカ英語ではイギリス英語の「our」のスペルから「u」が削除された形になります。
日本人の皆さんにはイギリス英語のスペル表記は馴染がないかもしれません。
単語の一部に違いはありますが、単語の原形は残っているのでその意味は十分理解できると思います。
余談ですが、皆さんがWord等で英文資料作成時に自動スペルチェック機能を使う際は、日本で使われているソフトウェアのデフォルト設定の多くは「英語(米国)」となっているので、上記のようなイギリス英語の単語スペルで入力するとエラーが表示されます。
イギリス英語を使いたい場合には、言語設定に「英語(英国)」を追加し、「自動的に言語を認識する」のチェックを外す必要があります。
アメリカ英語とイギリス英語の使う単語の違い
アメリカ英語とイギリス英語の違いで一番混乱するのは、スペルの違いではなく、使う単語の違いではないかと思います。
有名なところでは、「ガソリン」をアメリカ英語では「gas」と言いますが、イギリス英語では「petrol」と言います。
また、「ゴミ」はアメリカ英語で「trash」や「garbage」ですが、イギリス英語では「rubbish」となります。
この様な単語の違う名詞は下の表以外にもたくさんありますので、これらを一つずつ覚えて慣れていく必要があります。
代表的な使う単語の違いについての例を下記の表に纏めましたのでご参照ください。
ここに示したのは一部ですが、2つの英語での違いをとことん極めて見たいという方にお勧めの本があります。
大石五雄さんの書かれた、「アメリカ英語とイギリス英語」(丸善ライブラリー)です。
この本ではアメリカ英語とイギリス英語の会話表現からアカデミック表現や、固有名詞まで生活のほぼすべてのエリアで詳細な違いを1冊にカバーしています。
私がイギリス駐在時に読んだ古い本ですが、大変勉強になる興味深い本です。古い本ですが、ネット上の中古本でまだ見かけますので読んでみて下さい。
そして2つの英語の単語のちがいについて勉強してみてください!
またインターネットでもアメリカ英語とイギリス英語の単語の違いについて多くのサイトで取り上げていますのでチェックして見て下さい。
同じ英語であるにも関わらずアメリカ英語とイギリス英語でスペルや使う単語が異なるのは、英語の難しさであり、面白さでもあります。
その違いを学び、アメリカ人・イギリス人とコミュニケーションを取る際、相手に合わせて単語のスペルを変えてみるのも、文化への理解を示すひとつの方法ではないでしょうか?
次回のEpisodeでは、アメリカ英語 vs イギリス英語(4)文法の違いについて説明します。
<今日のビジネスで使えることわざ>
“虎穴に入らずんば虎子を得ず”
「No pain, no gain.」
JT
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